立憲民主党は12日、長野県軽井沢町内のホテルで立民参院会派に所属する議員の研修会を開いた。7月の参院選で初当選した新人らを前に、枝野幸男代表らが国会議員に必要な心構えを指導した。ただ、内閣改造で政府・与党への関心が高まっていることに加え、野党間では共闘の方向性が一致していない。秋の臨時国会に臨む野党第一党の前途は多難だ。(千田恒弥)
「正しいことでもタイミングが早すぎたり、遅すぎたりしたらうまくいかない。政治は『時間の関数』だということを台湾の李登輝元総統から教わった」
枝野氏は研修会でこう強調し、国会議員として適切な判断を下すことがいかに難しいかを訴えた。
“保守政治家”と自任する枝野氏は、安倍晋三首相は「保守じゃない」とも強調。「世の中を混乱させないように少しずつ変えていくのが保守だが、安倍さんは無理やり、強引に一気に変えようとしている」と批判した。
ただ、枝野氏の批判とは裏腹に、政権は今回の内閣改造でさらに力を増しつつある。
共同通信社の緊急電話世論調査では50・9%が内閣改造と自民党役員人事を「評価する」と答え、「評価しない」の31・4%を上回った。
士気を高めるには絶好のタイミングだったにも関わらず、枝野氏は講演で内閣改造について一切、論評しなかった。また、国民民主党の玉木雄一郎代表と合意した統一会派構想も「現在進行形で結論は出ていない」として言及を避けた。
野党共闘をめぐっては、共産党の志位和夫委員長とれいわ新選組の山本太郎代表が12日、国会内で会談し、次期衆院選を見据え共産が提唱する「野党連合政権」の樹立に向けて連携することで一致した。山本氏は記者会見で「有権者に政権交代でどういう世の中になるかをイメージしてもらうため、このような話し合いは早く進めるべきだ」と語った。
立民は共産との連合政権に否定的な立場だが、党内には共産と連携するれいわとの共闘を望む新人議員もいる。枝野氏は野党共闘をめぐる意見集約に頭を悩ませることになりそうだ。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース